コラム | "高い"ギターと"安い"ギターの違い
※ 今回はアコースティックギターでお話しします
よく生徒に質問される、
「高いギターと安いギターってどう違うの?」
これからギターを始めるとなると、
どの金額感のギターを買うか悩ましいですし、
単純に気にもなります。
ギターはピンきり
基本的に値段は「売り手側が定める、買い手に感じてほしい価値のレベル」 です。
ギターには顕著にこの差があり、値段の差は広いです。
「安い ギター」で検索すると、
“入門set" で 5,000円 を切るギターもでてきますが、ほぼ原価。
(利益いくらなんだろう...)
逆に高いギターは、素材、生産本数や装飾、人件費、そして背景などで、
その価値に上限がありません。
超有名なギタリストが使っていたギターがオークションで
約2億円の値がついたこともあります。
ここまでくると、ギターは弾くものではなくなりますね。笑
2億は極端ですが、楽器屋に行けば
50万円などを超えてくる楽器は山程あります。
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参考:世界一高いギター ランキング10
https://matome.naver.jp/odai/2145386978979564201
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ギターの作りは何が違う?
やっぱりそれなりに違ってきます。
① ボディ
ギターの本体であるボディ部分。
弦の振動をアコギ本体に響かせ、増幅&反響させるギターの心臓部とも言える
最重要パーツですので、色々な木材や構造が試されてきました。
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参考:アコースティックギターの木材の種類や違い、代表的なアコギを解説する
https://music-thcreate.com/2017/11/05/guitar-wood/
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木材もそうですが、
ここで伝えたいのは「単板」か「合板」か。
簡単にいうと、
・単板:一枚の木材をそのまま使用している → 高い
・合板:複数枚の木材をプレスして一枚の木材にする → 安い
です。
単板のほうが、音の鳴りが豊かになる、
ということもあり、高いギター(10万円以上の価格帯に多い)に使用されますが、
見た目も良い、大きさもある木から1枚板を調達するのは年々大変になっていくので、
価格が上がります。
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参考:アコギの単板と合板による違いと音への影響を解説する
https://music-thcreate.com/2019/04/05/veneer-plywood/
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② ネック
ギターの持つ部分。高い安いでここの形が大きく違ってきます。
全部同じ ”かまぼこ” のような形をしているか、というと違うんですね。
微妙にすべてが変わってきて、持ちやすさに関わってきます。
これは木材というよりも、
どれくらい「職人技」が使われているか、が大きいです。
持ってみると一目瞭然なのですが、
高いギターを弾いてから、安いギターに持ち替えたときの
弾きずらさたるや、結構なものです。笑
工場で大量に作られているネックと、
職人がネックを丁寧に調整しているネック。
これはある程度ギターを弾けるようになってから、
実際にもってみて、実感するとわかるんじゃないかと思います!
③ その他部品
他にも、ギターを構成する重要な箇所は
いくつもありますが、安いギターは
・フレット:指板から飛び出していることがある
・ペグ:固定が甘く、チューニングしても、すぐにずれてしまうので音程があわない
と、ちょっとお粗末なものも中にはあります。
装飾面なども、あげるときりがありません。
始めたてはどのあたりを買ったらいい?
始めたての方は、2万以下のラインは避けたほうが良いかなと個人的には思います。
安すぎると、ギターはギターでも、
個体にやっぱり問題が出てきます。
チューニングがずれやすかったり、
正しくフレットを抑えられているのに、音が綺麗に出なかったり。
そうなると上達が遅くなります。
3~5万円の子を買うと、個体としてはある程度しっかりしたものになります。
高価なギターを販売している有名ブランドのギターも出てきます。
あとは少し高いギターを買うと気持ち的に、
自分へのプレッシャーにもなるんじゃないでしょうか!?
安価に手に入ったものって、
丁寧に扱えない傾向がありませんか?
「高いギター」=「いい音がなる」んじゃない
※ 正しく抑えているのに音がビビっている、など、
ギターとして成り立っていないものは除き。
個人的な感覚として、15万円前後から、それ以上のギターはもう、
楽器としては立派すぎるくらいに成り立っていると思います。
勘違いしている方が多いのは、
「高いギター」=「いい音がなる」
と思っていること。
表現の差ですが、
言うなら「いい音」ではなく
「豊かな音」や「深みのある音」、「珍しい音」などです。
言いたいことは、
ギターとして立派に成り立っているものであれば、
たいてい「いい音」がでる、ということです。
あとは「好み」と「知識」の世界です。
100万円のギターが鳴らす音が好みなら、
その人にとって、それは「いい音」ですし、
20万円のギターの音色のほうが好みであることも
全然あります!聴き比べてみてください!
居酒屋でたのむワインや日本酒でも、
値段が安いほうが好きだった!なんてザラにありますよね。
あれです。
ただ、コンビニで売っているワインとか日本酒は
僕は好きじゃありません… 美味しくないし、悪酔いするし。
5,000円のギターなどは例えると、ここに当たるんじゃないかなと思います。
いろんなギターをもって、弾いて聴いてみて、
自分の好みのギターが見つかるといいですね!
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