コラム | 世界からみる日本の音楽市場
世界の音楽業界を代表する団体、IFPI(国際レコード連盟)が毎年4月ころに発表する
世界の音楽市場をまとめたレポートがあります。
参照:IFPI Global Music Report 2019
https://www.ifpi.org/news/IFPI-GLOBAL-MUSIC-REPORT-2019
※ 2018年の1年間の動向がまとまっている
日本語補足 ===
・Physical:CD・DVDの販売売上
・Digital (excluding streaming):ダウンロードなどデジタル領域の売上(ストリーミング以外)
・Streaming:サブスクリプション型音楽ストリーミングの売上(Apple Music 、Spotify、AWA、etc...)
・Performance rights: 音楽の著作権 使用料金
・Synchronisation revenues:広告、映画、テレビ番組などで音楽が使われた際に発生する売上
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これによると、グローバル音楽市場の売上は4年連続UP。
牽引しているのは、完全にストリーミング。全体の47%。
曲数に対する費用が安い、借りに行く手間がなくなる、など。
ストリーミングにメリットを感じることも納得できます。
ちなみに、YouTubeなどの広告収入モデルの音楽ストリーミングは、
「$89億」のうちの約21%。
サブスクリプションが79%。サブスクがメインです。
国別で音楽市場の規模をランキングすると、なんと日本は2位。
(でも、1位のアメリカは日本の3倍ほどの規模があるので、圧倒的)
個人的には、日本の音楽業界は遅れてる、という声をよく聞くので、
結構意外でした。
なにが「遅れている」と言われている原因かというと、
世界のトレンドが「フィジカル」→「ストリーミング」に移行している中で、
日本の音楽市場は依然「フィジカル」の占める割合が非常に大きく、71%ということ。
ちなみに日本は「フィジカル」が前年比から実は成長している!
「なんで!?」と思ったら、18年は安室ちゃんの引退でCDやDVDが
やばいほど売れている。これですね。
推定累積売上数 =====
▼2017年
1位:嵐 753,714
2位:SMAP 498,980
3位:Kis-My-Ft2 252,439
4位:関ジャニ∞ 230,432
▼2018年
1位:安室ちゃん 1,756,771
2位:嵐 729,630
3位:Hey!Say!JUMP 366,373
4位:三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE 283,335
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参照:国内音楽市場はネット配信で復活?ほんとに?
https://note.com/regista13/n/n0dc406e5a7d5
→これは、日本の音楽市場の数字がわかりやすくまとまってる
ただ、もちろん「ストリーミング」の割合は上がっていて、
日本市場全体の11%ほど。前年比 32.6% 成長しています。
「フィジカル」の低迷も避けられないことを考えると、
「ストリーミング」への移行を促す手を考えなければ、
日本の音楽市場が2位ではなくなる日も近いか..?
参照:日本のレコード産業2019(日本レコード協会)
https://www.riaj.or.jp/f/pdf/issue/industry/RIAJ2019.pdf
参考:世界の音楽市場の足を引っ張っているのは、日本の音楽業界だった
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55423
参照:CD・音楽配信による売上とライブ市場の動向は?
ここまできて気になるのは、やはり「CDがなぜ売れるのか」。
これは、また次の記事にて。
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